エッセー 投資

リボと借金と皮肉な話。

2020年1月1日

母親が時々、うちには借金がある......とか言っていたのは、知っていた。

100万円くらいとそんなに大きな額ではないのに、利息の分しか払えていないとか、よくわからない事を言っていたが、まぁ、その割には外食や旅行もするのだから、あまり大したものでもないのだろうと思っていたのは、数か月前の話。

『借金のせいでクレジットカードが作れないんだよね~。ブラックリスト乗ってるんだよね~』と言っていたが、私は普通にクレジットカード作れるし、ゴールドカードである(血縁者の信用が無くても、当事者が良ければ平気らしい)。

さてはて、親は○○カードを使っていたわけだが、今なお、人気のあるカードで、ポイントが良く貯まると、若者の使用率も高いらしい。

そんなカードを使って、支払いが出来なくなったらしい。
ふとしたきっかけで、その話をしていたのだが、
『あのカードって、ポイントが貯まりやすいから人気なんだよね』
『そうなんだ~。確かにポイントは良く貯まったから、それで旅行にも行ったでしょ。そこそこいいホテルの時』
『あぁ、あれってポイントで行ってたんだ』
『けど○○は悪徳業者だよ。利息高いし』
『?......なんで?利息なんてどこも一緒じゃん』
『そうなの』
『そうだよ。CMとかやってる、プロミスだろうが、アイフルだろうと利息は一緒だよ。そりゃぁ、数百万とか1000万とか借りるなら、違うけど、大抵年利18%だよ』
『そうなの。ふ~ん。そういえば、カードの引き落としもおかしかったな』
『?......なんで』
『全額引き落とされなかった』
『はぁ......それって』
『毎月、少しだけ引き落とされて、いつからか限度額いっぱいになってさ』
『それ、リボじゃん!典型的な破産パターンじゃん』
『なにそれ?』

と言ったまさかの、教科書に載る、未本のような状況でした。

キャッシュレスが多い、若者に、リボの破産が多いと思われるかも知れませんが、リボ払いで破産する人は、思いのほか、30代40代に多いと思います。
逆に私と同世代になってくると、中学校や高校の授業で学ぶので、リボにする人は少ないです。

さてはて、当然思う事は一つ。リボを知らないなら、なぜリビ払いにしたのかと、聞きました。
なんでも、昔、車を買う時に自営業だからローンは組めないが、○○カードならローンが組めるとかで、そこで発行したらしいが、リボにはしてないし、毎回で一括でって、買い物の度に言っていたというわけである。

『それ、あれだよ。初期設定がリボになってたんだよ。設定がリボだと、一括って言っても自動でリボになるんだよ。すごいよそれ、典型的すぎて教科書に乗れるよ!』

さてはて、どうやらそんなこんなで、使い始めてしばらく経ってから、一か月に使える料金が急に減ったらしい。
引き落とし日になったのに、少し使ったら、限度額で使えなくなると......。
ここでおかしいと思えば、多少は変わったのだろうが(あとから聞いた話、ある時に、利用料金が多いという事で、ゴールドカードになったらしい。限度額が跳ね上がりますね)。

そんなこんなで7,8年程前に、結構な額になっていたらしく、督促とかもきたらしい(なぜリボで督促が来たのかと、それも不思議)。
督促が来るって事は、遅延してますね。そういえば、一時期、家に電話も来てました。

しかしある時、そういった電話が来なくなっていたのですが、話を聞くと、カード会社の紹介した、会社を仲介して、返済しているらしい。

『仲介挟むのもまずいでしょ。ただでさえ、遅延で利息があるんだから、間挟んだら、さらに手数料かかるよ。すぐにでも、払わなきゃ、そうでもなければ、月々の払い額を増やすなり、しなきゃ複利で大変だよ。そもそもどれくらいの借金があるの?』
『今どれくらいあるかわからない。それに、途中で月の返済額を変えられないらしんだよね』

なにそれ。どんな契約結んだんだよ。
まさかこんなにヤバいとは。よくそれで外食とかする気になるな。
いろんな意味でヤバいよ。

とりあえず、親にその契約書を探させて(どこにあるかもわからないらしい)、なぜか、第三者の自分が、ヤバいヤバい言っているという状況で。
親がその契約書を見つけてきたので......。

約100万円の支払いを、10数年かけて払う内容でした。

あぁ、やっぱりな。きっと、“毎月の支払いは確実に払える額が良いですよ~”なんて言われたんだろうな。と言ったら、『そうそう』という訳だ。
相手が自営業であれば、違和感なく言えるしな。

複利の効果を最大限生かした、ビジネスの成功例だと思います。

さてはて、契約書で月の支払額が増やせないが、一括で払えるという事なので、早く返した方が良いと、強く進言しました。

いまさら、リボは危ないというのは、少しずつ周知されていますが、既にいくつかのカード会社が、リボと言う名称を使わずに、違う名称を使い始めています。
最近だとYahooカード、がリボの名称を変更しましたね。
まぁ、イメージが悪い名称を、わざわざ使い続けるメリットがありませんしね。

リボがなぜ危ないのかという話ですね。
既に知っている人も多い気がするが、改めて簡単に言うと、“複利”です。
かの有名な、アインシュタイン氏が、『人類最大の発明』や『宇宙で最も偉大な力』とまで称した“複利”です。

リボの謳い文句としては、毎月の支払が一定の為、『支払いが楽』や『管理がしやすい』と言った事でしょう。
しかしながら、支払いが一定と言う事は、毎月の支払額より、利用額の方が多ければ、余りが発生します。
そしてその余りに、利息が発生します。

毎月の支払額が少なければ、利用額が多ければ、その分多くの余りが発生します。
利息が利息を生み、どんどん利息が増えていきます。
これが悪循環で、積み重なり続ければ、かなりの数になります。

私は、楽天カードのキャンペーンで、後リボを使用する事があります。
ポイントが何ポイント貰えるとか、何倍になるので。
しかし、私は注意を払い、リボの毎月の払い額をカードの利用限度額と同じにしている為、事実上、一回分の手数料がかかる一括払いにして、もらえるポイントの方が多いようにしています。

リボもキャンペーンを利用し、毎月の支払額を最大にしたり、指定口座に振り込むんだりする等、上手に利用すれば、お得になります。
とりあえず、利用する時は気を付けましょう。

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さてここから皮肉な話。

親が破産していたカード会社の株を、私が保有しているという皮肉な話(笑)。

親がリボの複利で破産して、私はその会社の株の配当を得て、それを再投資で複利という皮肉な話(笑)。

親の借金が会社の利益で、その一部が私への配当という、なんとまぁ皮肉な話(笑)。


こんな事もあるのか!!

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